本屋で待つ
佐藤友則/島田潤一郎
¥1760(税込)
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小売業の未来なんて全然明るくないよな、、なんて考えていたんですが、この本を読んで少し考えを改めました。
人口減少を続けていく地方の小さな町において、住民の思いと自らの可能性を掛け合わせたところに、その場所でしか成し得ない小売業の未来のような光景が存在しています。
本書のなかで、本の持つ信頼性のようなものが、多様な業態を展開する上で重要ということが書いてあり、本屋という本を扱う商いは、これからの小売業を考える上で重要なファクターにもなり得るのでは?とすこし話を大きく考えてしまいました。
本は商品であると同時に、知識として公共性をもっていて他者と分けあえるものでもある。
その本のもつ公共性の部分をどう自分のやり方で広げていくか。
世の中が明るくなっていくような可能性は、実はたくさん提示されていて、あとは自分がどれを選びとっていくかだけなんだよなと、改めて思いました。
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広島県庄原市にある書店「ウィー東城店」。
店長の佐藤友則さんは赤字続きだったこの店を、「お客さんの要望にこたえる」という姿勢を徹底して貫くことで、黒字化させます。こわれた電気機器の相談や、年賀状の宛名書き。山間の田舎の書店に望まれることの多くは、高齢者たちの生活の相談にのることでした。それだけでなく、店は美容院を併設し、エステルームをつくり、コインランドリーをもつくります。
本書はそうした「書店の複合化」の物語である一方、引きこもっていた若者たちが書店をとおして成長していく物語でもあります。ある日、「学校に行けなくなった子どもを働かせてほしい」と相談され、それからウィー東城店にはそうした若者たちが次々とやってきて、レジを担当し、棚を担当します。彼らはお客さんと接し、本と接することで次第に快復し、何人かは社員となり、そのうちのひとりは佐藤友則さんの次の店長となって、店を支えます。
装画、挿絵は『急がなくてもよいことを』で注目を浴びる漫画家、ひうち棚さん。本屋の可能性を伝える、感動的な一冊です。
出版社: 夏葉社
サイズ:208ページ
発行年月:2022年12月25日