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歴史の屑拾い
藤原辰史

¥1540(税込)

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本全国、それぞれの土地で生きた古老の話を聞き取った宮本常一の「忘れられた日本人」を読んだ時のような印象を受ける。
本書は、歴史を、それを規定する立場にある側からの視点で見るのではなく、タイトルにあるように、そこからこぼれ落ちた断片を拾い集めるようにして、そこに実際に生きた人や物、土地の痕跡から歴史を紡いでいく歴史家としての思考を綴ったエッセイだ。

新型コロナウイルスが蔓延し始めた時の、社会の雰囲気や、それが自らの生活にどのように影響を及ぼてきたのかという実感さえ私たちはすでに忘れようとしている。近い未来、この災禍が、大文字の歴史という、まるで日本人すべてに共有できるような物語でどのように語られることになるのだろうか。そこに自分たちの生きた実感は伴っているのだろうか?

今生きているこの時間もいつかは過去になり、その堆積として歴史が出来上がっていく。

歴史を生きた市井の人々のちいさな声が大事になるとしたら、今を生きている自分のちいさな声も同じように大事にしたい。大きな物語に回収されて無かったことにされないように。

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歴史をどう語るのか。
こぼれ落ちた断片の生が、大きな物語に回収されないように。
戦争体験者の言葉、大学生への講義、語り手と叙述……。
研究者である自身に問いかけながらの試行錯誤と、思索を綴るエッセイ。

【目次】
プロローグ ぎくしゃくした身振りで
1章 パンデミックの落としもの
2章 戦争体験の現在形
3章 大学生の歴史学
4章 一次史料の呪縛
5章 非人間の歴史学
6章 事件の背景
7章 歴史と文学
エピローグ 偶発を待ち受ける

藤原 辰史
1976年、北海道旭川市生まれ。島根県奥出雲町で育つ。2002年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程中途退学。博士(人間・環境学)。京都大学人文科学研究所准教授。専門は農と食の現代史。著書に、『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房、2005年/新装版2012年/第1回日本ドイツ学会奨励賞)、『カブラの冬』(人文書院、2011年)、『ナチスのキッチン』(水声社、2012年/決定版:共和国、2016年/第1回河合隼雄学芸賞)、『稲の大東亜共栄圏』(吉川弘文館、2012年)、『食べること考えること』(共和国、2014年)、『トラクターの世界史』(中公新書、2017年)、『戦争と農業』(集英社インターナショナル新書、2017年)、『給食の歴史』(岩波新書、2018年/第10回辻静雄食文化賞)、『食べるとはどういうことか』(農山漁村文化協会、2019年)、『分解の哲学』(青土社、2019年/第41回サントリー学芸賞)、『縁食論』(ミシマ社、2020年)、『農の原理の史的研究』(創元社、2021年)、『植物考』(生きのびるブックス、2022年)などがある。

出版社: 講談社
サイズ:208ページ 13 x 1.5 x 18.8 cm
発行年月:2022/10/20

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