小さき者たちの
松村圭一郎
¥1980(税込)
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昔と今のあいだ。大きな歴史の影に隠れて見えにくくなっている、市井の人たちの暮らしとはどのようなものだったのだろうか。
2年前頃から水俣について関心がとても深まっていて、昨年末に水俣を再訪したばかりだったので、松村さんの視点で、様々な文献を参照しながら掘り下げた水俣の文章は、胸に迫ってくるものがあった。
水俣、天草、須恵村という場所で人々がこれまでにどのような暮らしをしていたのか?
わずか100年前のことでさえ、知らないこと、忘れ去られようとしていることがあまりにも多すぎると感じる。
松村さんが自身の故郷である熊本の暮らしの記録を解いていくプロセスは、本書を読むそれぞれの人たちが、今、自分が暮らす土地についても思いを巡らせることに繋がっていくのだろう。
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私は日本のことを、
自分たちのことを何も知らなかった。(「おわりに」より)
水俣、天草、須恵村…
故郷・熊本の暮らしの記録を初めて解く。
現代の歪みの根源を映し出す、
今を生きる人たち必読の生活誌。
世界を動かしてきたのは、
いつも、小さき者たちだった。
はたらく、まじわる、くに…
消えかけていた声を拾い、
紡いだ、渾身の二一編。
気鋭の人類学者の新たな代表作
本書では、私が生まれ育った九州・熊本でふつうの人びとが経験してきた歴史を掘り下げようとした。とくに私が地元でありながらも目を背けてきた水俣に関するテキストを中心に読みこみ、自分がどんな土地で生を受けたのか、学ぼうとした。そこには日本という近代国家が民の暮らしに何をもたらしてきたのか、はっきりと刻まれていた。(「はじめに」より)
●目次 Ⅰ
水俣1
一、はたらく
二、おそれる
三、いのち
四、まじわる
五、うつろう
六、かかわる
七、うえとした
Ⅱ 水俣2
八、やまい
九、こえる
一〇、うつしだす
一一、ひきうける
一二、たちすくむ
Ⅲ 水俣3
一三、ねがい
一四、たりない
一五、かお
一六、あいまみえる
Ⅳ 天草
一七、こえ
一八、くに
Ⅴ 須恵村
一九、いのる
二〇、おとことおんな
二一、みえないもの
出版社: ミシマ社
サイズ:208ページ 17.8 x 13 x 1.6 cm
発行年月:2023/1/20