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[ 久留米店 EVENT ] 3月7日 – 3月20日 『声の地層:災禍と痛みを語ること』原画展

blank『声の地層:災禍と痛みを語ること』原画展

MINOU BOOKS 久留米
(久留米市小頭町10‐12 1F)
3月7日(木) − 3月20日(水)

人々からの語りを聞きあつめ、絵と言葉を紡ぐアーティスト瀬尾夏美さんの新刊『声の地層:災禍と痛みを語ること』の原画展を開催いたします。
これまで、東日本大震災にまつわる作品を発表されてきた瀬尾さん。新刊では、自然災害、戦争、パンデミックといった、様々な災禍を経験した人びとを訪ねて、聞いたお話をもとにした「物語」と、語りをふりかえって瀬尾さん自身が感じたことの「あとがたり」が交互に編まれています。
瀬尾さんは東日本大震災が起こった当時、絵を学ぶ大学生で、ボランティアとして4月に初めて現地を訪れたそうです。そこで、出会った人々から語りを聞かせてもらったことをきっかけに、言葉を書き始めます。
そして、4月に被災の体験を語ったおばあさんが、1ヶ月後に再び訪ねたときには、花が咲いたことを嬉しそうに報告してくれたという経験から、人々の日々の変化に追いつくために、東北に移り住み活動を続けてこられました。

東日本大震災以降も自然災害は各地で起きていますし、世界に目を向ければ、戦争や虐殺によって命が奪われ続けています。
瀬尾さんの絵と文章に触れていると、困難な日常の中にいる人々へ思いを馳せることと自分の日常を愛おしむこと、そのどちらも大切だということを思い出します。
深まっていく分断と対立を前にわたしたちは何ができるでしょうか。瀬尾さんの表現する“あわい”の世界は、きっとそれらをほぐす助けとなります。

語り手の言葉を大切にされている瀬尾さんの描く絵は、誰かをおもう優しさをまとっていて語り手と書き手と読み手をゆるやかにつなげてくれると感じています。瀬尾さんのこれまでのご著書も並べますので、ぜひこの機会にたくさんの方に瀬尾さんの作品をご覧いただけると嬉しいです。

また、瀬尾さんをお招きしてイベントも予定しています。

▼朗読とおはなしの会

新刊『声の地層~災禍と痛みを語ること~』にまつわることを中心に、あいだに瀬尾さんによる朗読も混ぜながら、お話をうかがっていきます。他者の語りを聞き、それを手渡していく営みについて、“語れなさ”を表現のテーマにしていること、時間が経ち語り直されることについて、13年間記憶の記録を続けてきて今感じていることなど、お聞きしたいと思っています。

日程|2024年3月16日(土)
時間|19時30分~21時
場所|MINOU BOOKS 久留米(久留米市小頭町10-12 1F)
参加費|1500円+1ドリンクオーダー
出演者|瀬尾夏美さん、谷田恵李(MINOU BOOKS)
定員|20名さま
お申込先|MINOU BOOKS久留米
店頭 / Googleフォーム/ Instagramのダイレクトメッセージ

▼聞き書きワークショップ
災害や戦争体験の記録、市井の人びとの暮らしや民話の伝承にも使われてきた聞き書きという手法を、瀬尾さんに教わりながら、体験していただきます。テーマは、「11歳の頃の記憶」です。瀬尾さんは、これまで多くの語りを聞く中で11歳の頃の体験を話す方が多かったという経験から、ある仮説を立て、様々な世代の11歳の頃の記憶を聞くプロジェクトも立ち上げたそうです。はじめに、そのお話もうかがいます。

少人数で行いますので、瀬尾さんを囲んで感想や質問の時間も設ける予定です。聞き書きの難しさと面白さについてお話しましょう。できあがった文章はひとつにまとめて、後日メールにて参加者のみなさんにお送りします。
持ってきていただくものは特にありません。

*おおまかな流れ
1.瀬尾さんのお話
2.ペアになってインタビュー
3.聞き取った話を一人称で書く
4.書いた文章をひとりずつ読み上げる
5.感想や質問

日程|2024年3月17日(日)
時間|10時~11時30分
場所|MINOU BOOKS 久留米(久留米市小頭町10-12 1F)
参加費|1500円+1ドリンクオーダー
講師|瀬尾夏美さん
定員|10名さま
お申込先|MINOU BOOKS久留米
店頭 / Googleフォーム/ Instagramのダイレクトメッセージ

お申し込みの時に①イベント名②お名前(本名やフルネームでなくてもOK)③ご連絡先④参加人数をお伝えください。

瀬尾夏美
1988年東京都足立区生まれ。土地の人びとのことばと風景の記録を考えながら、絵や文章をつくっている。東日本大震災のボランティア活動を契機に、映像作家の小森はるかとのユニットでの制作を開始し、岩手県陸前高田市に移住。2015年、土地との協働を通した記録活動を行うコレクティブ「NOOK(のおく)」を立ち上げる。現在は江東区で「studio04」を運営しながら、災禍の記録のリサーチとそれらを活用した表現を模索しつつ、”語れなさ”をテーマに各地を旅し、物語を書いている。

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