衣食住からアートブックまで、「暮らしの本屋」をテーマに、いつもの日常に彩りを加えてくれる本を取り揃えています

縁食論 孤食と共食のあいだ
藤原辰史

¥1870(税込)

商品サイズ1:2冊まで 送料220円〜

¥12,000以上の購入で送料無料

送料についてはこちら

cartこの商品についてお問い合わせ

子ども食堂、炊き出し、町の食堂、居酒屋、縁側…
オフィシャルでも、プライベートでもなく。

世界人口の9人に1人が飢餓で苦しむ地球、義務教育なのに給食無料化が進まない島国。ひとりぼっちで食べる「孤食」とも、強いつながりを強制されて食べる「共食」とも異なる、「あたらしい食のかたち」を、歴史学の立場から探り、描く。

現代社会が抱える政治的、経済的問題を「家族や個人のがんばり」に押し付けないために。

●担当編集者より
「縁は剣より強い」

誰と食べる? どう食べる? 新型コロナウィルスの感染拡大が収まらない今ほど、この問いが切実なときはないのではないでしょうか。

本書は、「縁食」という新たな概念を提示することで、孤食か共食か、と二者択一で論じられ、袋小路に陥っていた食の問題に突破口を見い出します。それは必然、家族絶対主義、経済至上主義へメスを入れることにもなります。

ただし、普通のメスの入れ方ではありません。鋭い刃で悪をえぐり取るわけでも、突き刺すわけでもない。そのメスの入れ方あるいは、メスの種類にこそ、本書の傑出した面白さが宿っています。

藤原さんは、本書のなかでこう言います。「縁は剣より強い」。

つまり、どちらかの立場にたって、どっちかをやっつける、といった「剣」による争いより、「縁」は強いのだ。現代の諸問題を解決していくうえで、その力は欠かせないのだ、と。

こうした思いを胸に、藤原さんは、縁食という概念を提唱し、その可能性をさまざまな角度から論じていきます。

無料食堂の歴史から、音、戦争、死者、文学にまで、その考察は広がっていくのですが、これ以上はここで述べるのは控えます(読む楽しみを奪ってはいけませんので! )。

最後に、ひとことだけ付け加えると、「縁」という切り口で藤原さんが目指そうとしている境地は、全編にわたりたぎるような血が流れつつも、平熱でありつづける文体にも滲みでています。そのあたりもぜひ、たっぷりご堪能いただけましたら嬉しいです。

ーー担当編集者・三島邦弘

ポスト資本主義の生き方を思わぬ角度から照らし出す。銭湯という公衆浴場があるのなら、公衆食堂というものがあってもいい。そこは孤食ほど孤独ではなく、家族のだんらんほど押し付けがましくもない、緩やかな連帯がある。それを著者は縁食と名付けた。縁食の場は、単なる食事の場を超えたポスト資本主義の行方すら指し示している。
――平川克美さん 書評(2020年12月27日、北海道新聞)

農業史や食の思想史を専門とする著者は、縁食の風景を紹介するのみならず、それら周辺の問題にまで深く潜っていく。孤食の問題を「家族」に押し付け、共食に「家族愛」を期待する政府。義務教育なのに給食無料化が進まない島国。「家庭でも職場でもない、第三の居心地のいい場所」を指す「サードプレイス」という概念が、女性や人と群れるのが嫌いな人を排除しているという指摘。問題の背景となる歴史ごと掘り返して臨む著者の姿勢に、「あたらしい食のかたち」を模索する本気度が感じられ、1ページ1ページを心して読んだ。
――佐々木ののかさん 書評(2020年12月29日、「ダ・ヴィンチ」)

食事は悩みのもとであってはいけない。今日の疲れをいたわり、明日への活力を生む、楽しいものであるべきだ。 そんなまっとうな考え方がまぶしい。
――渡邊十絲子さん 書評(2021年1月23日、毎日新聞)

藤原辰史(ふじはらたつし)
1976年生まれ。京都大学人文科学研究所准教授。専門は農業史、食の思想史。2006年『ナチス・ドイツの有機農業』で日本ドイツ学会奨励賞、2013年『ナチスのキッチン』で河合隼雄学芸賞、2019年日本学術振興会賞、同年『給食の歴史』で辻静雄食文化賞、『分解の哲学』でサントリー学芸賞を受賞。『カブラの冬』『稲の大東亜共栄圏』『食べること考えること』『トラクターの世界史』『食べるとはどういうことか』ほか著書多数。

出版社: ミシマ社
サイズ:192ページ 18.8 x 12.8 x 1.4cm
発行年月:2020/11/20

関連する商品

ページトップへ