2024.11.22(金) – 12.8(日)
額縁 百合山 個展 『 居場所のものがたり 』
今回、百合山が制作した『出るところ』という本の展示を開催するにあたり書店での開催なので、本の居場所を作るのはどうだろう?という話がでました。
本の居場所とはなんだろう?
僕にとって本とは、思想の糧となるものなので、本棚とはまた違った表現として本の居場所をつくるという百合山の発想にはハッとさせられました。
物をつくること、居場所をつくること、生きていくこと。
百合山の創作をみていると、自己主張や自我を超えた、
とても大きな流れの中で創作して手を動かしているような印象を受けます。
『出るところ』の物語、木を使った額縁に棚、オブジェなど、
百合山の自由な表現を楽しんで頂けたら嬉しいです。
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本個展では『出るところ』(文:額縁 百合山 絵:ちえちひろ)の本や原画と共に、額縁や本棚などを展示します。
「物の居場所」を作るために額縁や棚を制作している百合山。
そんな百合山が書いた話もまた、「居場所」の物語でした。
ご覧頂けると幸いです。
【作家プロフィール】
額縁 百合山(ゆりさん)
佐賀県嬉野市に工房を構え、木を使った額縁や棚、オブジェなどの制作を行っている。
捨てられる運命の木をじっと見て、形を発見することを好む。
「私は彫刻家です。しかし、この雄大なアイルランドの自然や動物を前にして、私は自分の彫刻がゴミに見えたのです。
人間も自然の一部だったはずなのに、私たちは自然からとても遠くに来てしまった。
私は動物に戻りたい。
しかし、私の手も、目も、頭も、心でさえも、完全に人間なのです。
それをどうすることもできないのは分かっています。
しかし私は、もう人間として作品を作る気にはなれないのです。
そして彫刻刀を置いたその時、私は気づいたのです。
唯一人間に残された野生があるとすれば、
それは内臓なんだと。
野生である内臓を通って出てきたうんちは、動物である私がつくった彫刻なのです。」
二イルははっきりと語りました。
(『出るところ』より一部抜粋)