キキキⅱ
福永あずさ
¥1320(税込)
商品サイズ1:2冊まで 送料220円〜
¥12,000以上の購入で送料無料
書くことは、聴くことでした。
深夜まで机に向かい、AIが秒で要約するテープ起こしの文章をながめながら、「その場にいないおまえがわかった風にまとめるな」と悪態をつき、ひとりでたんたんと手を動かす。書くことはだるい。圧倒的にめんどくさい。ほとんど試練だ。取材期間、わたしは数日間「久留米に住む」ことをためしてみた。よそものとしてひとつの街にぐしゃぐしゃに巻き込まれ、商いをなりわいとする、市井の人の人生を聴き続けた。本にまみれた喫茶店で、熱気あふれる焼き鳥店で、黙々と雨が降りしきる美容室で。久留米に生きる7組のことばが、しんしんと降りつもる。要約されていい人生なんてひとつもない。これは、わたしが聴いて、わたしが、わたしのために書く文章だ。
_
あなたの国のはなし
●君の人生に店って、ひつよう? PERSICA 牟田裕一に聴く
●ことばは去りゆくが、書かれたものはのこる 琥珀亭 石川滋孝に聴く
●娘娘物語 娘娘 厨道子・大祐に聴く
●おかえり、いちご姫 13 宮﨑愛可・暉に聴く
●わすれませんようにわすれませんように 西原糸店 西原佳江に聴く
●まだ知らない感情のほうへ歩いていきたい 余韻 hair &gallery ノダタツヤに聴く
●若き本屋の悩み MINOU BOOKS 久留米 石井勇に聴く