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Column

はじめての北アルプスと松本の街

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少し堅苦しいコラムコーナーになりつつあるのでたまには他の話を。緩急が大事よね。何事も。
九州の人間からしてみたら、長野県に行くのでさえとても遠いと感じてしまうのに、そこにわざわざ登山に行くとなったら、もうこの人すっごい山好きなんだね!と思うくらいのことなんじゃないかって勝手に思い込んでたのだが、いざ行ってみたらその魅力が少しだけわかったような気がした。
はじめて車窓から見た北アルプスの山並みはとても偉大で、この場所で暮らしていたら、自分の考え方や生き方になにかしらこの風景が影響してくるんだろうなと思いながら、登山口近くの穂高駅まで。
穂高駅からはタクシーで登山口へ。タクシーの運転手さんは地元の方で、燕岳は学校の行事で登りましたよ〜と。多分、とても色んな意味でこの山並みは普段の暮らしと地続きなんだろうなと感じた。

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初日は、一の沢の登山口から常念岳へ。そもそもの登山口の標高が高いこともあってか沢伝いに高度を上げていくと割とあっさりと山頂手前の山小屋に着いた。山小屋から初めて見た槍ヶ岳はとても印象的で、厚い雲があって薄暗かったためかとても怖かった。自然への畏怖の念などとよく耳にはするが、これがそれかと実感したような感じだった。そのまま常念岳に登り、初日は常念小屋泊。二日目は快晴で、念願の尾根伝いに色々な山のピークを歩く常念小屋から燕岳までの縦走。

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九州の山だと日帰りか一泊で行くことが殆どなので、二泊三日で高度の高い山の上をずっと歩いているという感覚はとても新鮮だった。ただただひたすら歩く歩く歩く。歩きながらもっと色々なところに思考が漂う感じかと思ったら、意外に周りの景色と自分の今いる位置、そして歩くこと。それくらいの単純な思考で終始歩いていたように思う。歩いて歩いて歩いて、景色が少しずつ、だけど確かに変わって、振り返るともうこんなに歩いたのかと、その繰り返し。

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二日目は燕山荘泊。先日の常念小屋といい、とても立派な山小屋がこの山域に大小かなりの数点在しているということに驚く。
多分、もっと山の深いところまで入っていかないとその辺りの感覚は実感できないのだろうが、人と山を繋いでいる山小屋のあり方はとても興味深い。食堂には畦地梅太郎さんの版画も。
三日目は、燕山荘から中房温泉へ下山。登山口に温泉なんて最高だ。湯量が豊富だからか、かなりフレッシュな印象のお湯。

下山後と翌日のお昼までは松本市内の観光へ。まったくのノープランだったが、ライブハウス兼バー(give me little more)の人やレコードショップ(marking records)の人など行く先さまざまな人におすすめを聞きながら廻ったら予想以上に楽しい旅になった。特に印象的だったのは、ユニークな書店。脱サラしたおじさんがやっている自宅を改装した書店(books電線の鳥)や住宅街の中にひっそりと佇む暮らしまわりの本のセレクトとギャラリーを併設した(本・中川)、今回は時間がなく伺えなかったがインターネットとの付き合い方をテーマにした(cotanbooks)。いい意味で街に余白のような隙間が多くてそこで面白いスタイルで小商いをしている場所が目立っていたように思う。
まつもと市民芸術館のありかたもとても興味深く、街に文化を根付かせようといった草の根の強さを感じた。
しかし、四日間よく歩いた。やっぱり知らない場所や街を歩くのが好きだ。すごく。
珈琲まるものモーニングもよかったしまた行ってみたいな。松本、いいとこ、一度はいこう〜

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